米国軍

米陸軍の主要な訓練基地では、戦地に赴く米陸軍兵士と指導者を育成するための実際的な共同訓練および連合部隊訓練を実施しています。米国陸軍では今後の展開のために世界中で兵士を訓練しています。

積層造形技術を使用することで、陸軍はダウンタイムを削減して即応能力を高めています。

チャレンジ

「Readiness」（即応能力）は、米陸軍がよく使用する用語であり、突発的な軍事行動に対応できる軍隊、フォーメーション、装備の必要性を指します。米陸軍は、世界中の他の軍隊よりも迅速かつ優れた革新を起こすことで、常に即応能力を強化しようと努めています。

任務のサポートに不可欠な軍用グレードの車両と装備は、非常に高い耐摩耗性が求められます。施設が離れているため、交換部品のリードタイムが3か月にもなり、部品が壊れた場合、兵士がトレーニングセンターで使用可能な部材が少なくなります。このプロセスは長く、非効率的であり、コストもかかります。さらに、1つの部品の破損が隊に深刻な影響を与えることがあります。

ソリューション

現在、米国には特定の分野に特化した 10 のセンターがあり、兵士や軍人を訓練しています。2019 年後半、さまざまなタイプの 3D プリンターを調査した後、1 つの訓練基地で 2 台の Markforged X3 産業用 3D プリンターと 1 台の Mark Two デスクトップ 3D プリンターを導入しました。連隊では耐久性、機能性、汎用性を必要としていましたが、Markforged プリンターの連続繊維強化 (CFR) プリント プロセスにより、連続カーボン ファイバー、ファイバーグラス、Kevlar® を使用してプリントできるようになっています。

米国軍の Markforged コンポジット プリンターは、個人用保護具 (PPE)、軍用車両用のウィンドウ ワイパー ブラケット、工具、および少量生産部品に使用されています。

また、連隊は供給終了となったコンポーネントの重要な少量交換部品の 3D プリントを開始しました。光が少ない暗い状況で使用される車両の上にあるハッチ プラグ。ハッチ プラグは、夜間のドライバーの視認性を助け、ドライバーが兵士に交戦を指示できるようにする働きがあります。残念ながら、この部品はもう生産されていません。複製するには 3 か月のリードタイムとおよそ 10,000 ドルの費用がかかります。連隊では、Markforged ソリューションにより Onyx 素材のハッチ プラグを 230 ドルでプリントし、また、Metal X の 17-4PH ステンレス鋼を使用したハッチ プラグを 800 ドルでプリントし、この用途だけで 244,000 ドルの費用を削減しました。

連隊は Markforged プリンターで時間とお金を大幅に節約しましたが、それだけでなくコンポーネントの数を減らしてハッチ プラグを簡素化しました。今では、より簡単でシンプルな製品になっています。以前の設計は 10 個の部品で構成されていましたが、現在は 4 個になっています。

米軍基地は、兵士がセンターのリソースを適切に利用できるように、従来は長いリードタイムを要した少量生産部品はもちろん、工具や備品についてもプリントを継続する予定です。

プリンターと Eiger (Markforged の強力なクラウドベースのスライス ソフトウェア) により、連隊と兵士にとって有益な成果が得られています。連隊内のユーザーは、The Digital Forge プラットフォームの利点を確認し、ソフトウェアがプリンターとプラットフォームの両方に対して高度に最適化されていることを実感しています。他の積層造形ソフトウェア プラットフォームでは、温度と速度の選択に関しては自由ですが、Eiger では、プリンターで機能する最適化されたハンズオフ アプローチを採用しているため、より高品質な部品が得られます。

今後の展望

米陸軍トレーニングセンターでは、2020 年初頭から Markforged プリンターを利用しており、今後さらに積層造形を取り入れていく計画です。

また、Markforged University は、Markforged のプラットフォームの適切な使用方法に関するトレーニングを兵士に提供することで、米陸軍の即応能力に大きな役割を果たしています。数人の兵士に Markforged のソフトウェアとプリンターについての認定を取得させることで、米国にとって大きな付加価値を生んでいます。テクノロジの最適な使用方法を正しく理解していないと、部品を積層造形用に効果的に設計できないことがあります。

このトレーニング センターでの Markforged テクノロジの使用がきっかけとなり、視察に訪れた米国中の他の同様のセンターにも広まっています。