FX10の紹介: 生産現場向けに設計された汎用性の高い産業用3Dプリンター
Markforgedは、必要なときに工業生産ができる環境を提供します。Markforgedは、これまで10年にわたり、製造現場に真の価値をもたらすアディティブ製造プラットフォームの開発に取り組んできました。
当社は、機械加工金属の代わりに強力な複合材料を使用できるプリンターを開発してきただけでなく、要件の厳しい製造現場向けパーツを高い信頼性でシンプルかつ経済的に入手できるようにしました。当社はこの成功を元に、次世代のコンポジット3DプリントをリードするFX10を提供しています。これは、強度と精度に優れたパーツをプリントするために設計された、幅広い用途に対応した製造現場向けソリューションです。
このブログでは、FX10の概要、FX10によって解決される課題、あらゆる規模のメーカーの価値を高めるFX10の優れた機能についてご紹介します。
FX10とは
FX10は当社の次世代の産業用コンポジット3Dプリンターです。FX10は、世界中の何千もの生産現場に強度の高いパーツと優れたROIをもたらした当社のX7インダストリアルシリーズに続く、より大型で高速のプリンターです。
FX10は高度に自動化された大型の高速プリンターです。モジュラー式の第5世代複合システムにより、FX10のプリントプロセスはこれまで以上に精度と信頼性に優れたものになっています。FX10とあわせて、X7の販売も継続される予定です。
主な特徴:
- 加熱チャンバーとプリントベッドによる大型造形ボリューム
- 特許取得済み連続ファイバー強化(CFR)プロセスで、機械加工金属に代用できるだけの強度を持った複合材料パーツをプリント可能
- 精度の高い高速印刷(X7の約2倍)
- プリント中にパーツをスキャンするレーザーマイクロメーターによる品質保証とプリンターのキャリブレーション
- Vision Module(今後搭載予定)によりプリンターの正常性を把握し、プリンターの性能を判断して最適化
- シンプルなインターフェイスに、連続プリント用のスプール切り替えやプリンターキャリブレーションなどの自動化された機能が組み込まれた操作性に優れたプリント環境
- システムコンポーネントを容易に交換してプリントモードや対応マテリアルを追加できるモジュラー式のプリントシステム
FX10を開発した理由
当社は、製造現場におけるさまざまな問題を、高い信頼性ですばやく経済的に解決するためにFX10を開発しました。FX10を利用することで、製造現場での重要なパーツのプリントを可能な限りスムーズで簡単なものにすることができます。
製造現場は動きの速い環境であるため、生産機器の設置、切り替え、保守を迅速に行えるソリューションが必要です。しかし、機械加工したパーツを入手するのには、多くの場合、高額なコストと熟練労働力が必要で、数週間から数か月の期間を要します。そのため、従来の製造方法に依存しすぎると、個々の工程に時間を要し、必要以上に予算を使い、生産現場のダウンタイムが不必要に長引いてしまう恐れがあります。
多くのアディティブ製造ソリューションは、こうした課題を解決することをうたっています。しかし、一般的なプラスチック3Dプリンターでは、要求されるレベルの精度や再現性を得られず、ましてや産業用途に必要な強度や品質には遠く及びません。
当社はこれまでの世代のカーボンファイバー3Dプリンターで、パーツの機械加工に代わるコスト効率に優れた製造方法を導入しましたが、さらに機能性と使いやすさに優れたプリンターの開発に取り組んできました。FX10を使用すると、次のように、生産現場の収益性と生産性の大幅な向上を効率的に実現できます。
パーツのコストを最大90%削減し、リードタイムを数か月から数日に短縮する
生産量を増やし、運用コストを削減
安全なクラウドベースのデジタル棚卸しにより、物理的な在庫を削減する
オンデマンドでスペアパーツを製造し、生産ラインを維持する
大型パーツを高速でプリント
FX10は、最大60℃の温度に対応できる375mm×300mm×300mmの造形ボリュームを備えています。これは、先行モデルであるX7の2倍近い容積です。FX10は、約2倍の速度でプリントできます。
余分なコストをかけ、何週間も待ってパーツを機械加工する必要はなくなります。産業用パーツを必要なときにオンデマンドでプリントし、これまでよりもはるかに迅速かつ経済的にパーツを入手できるようになります。
洗練されたカーボンファイバープリントプロセス
どのようなプラスチック3Dプリンターでも、生産ラインで使用するのに十分な強度と耐久性を備えたパーツをプリントできるとお考えでしょうか。強度に加えて、必要な精度を常に実現できる3Dプリンターがどれだけあるでしょうか。
FX10は、スケーラブルなコンポジットプリントをこれまでにないレベルで実現しています。これは、Markforgedの優れた強度と耐久性に、高い精度と信頼性を可能にするシステムを融合したソリューションです。モーションシステムにより、高速印刷時でも高い精度が維持されます。
検証可能な精度: プリントヘッド搭載光学センサー
アディティブ製造によって大幅なコスト削減とプロセス改善が可能になりましたが、再現性のある検証可能な精度がなければ、アディティブ製造を大規模な製造プロセスの基盤として活用するのは困難です。
3Dプリントしたパーツが許容差の要件を満たしていることを間違いなく確認するには、どうすればよいのでしょうか。FX10には、パーツの品質とプリンターの正常性を把握するための2つの光学センサーが搭載されます。
レーザーマイクロメーターは、プリント中のパーツをスキャンし、プリンターのキャリブレーションを支援します。スキャンデータは、当社のInspectionソフトウェアで読み取られて寸法精度の検証が行われ、プリントが終了するとすぐに品質保証がユーザーに提供されます。
キャリブレーション時には、レーザーマイクロメーターがプリントベッドの精密に機械加工された溝をスキャンして、誤差を自動的に補正することで、プリンターの精度を向上させます。
Vision Module(近日提供予定)は、キャリブレーションパーツの詳細な画像を取得してプリンターの性能を特定して最適化を行い、同時にプリンターの正常性を確認します。
高度に自動化された扱いやすい操作性による生産性の向上
平均的な3Dプリンターは、あまり扱いやすいとは言えません。専任のオペレーターが常に注意していなければ、十分なプリント結果を得ることもできません。
FX10は高度な機能を備えた3Dプリンターでありながら、高度に自動化されたワークフローで使いやすく、人手をかけずに高い生産性を実現できます。
ストレージベイ間のスプールの自動切り替えにより、連続プリントが可能です。プリントを行う前に複数のスプールを装填することで、大量のマテリアルを使用するビルドを作成できます。
自動化されたプリンターとプリント前のキャリブレーションルーチンにより、オペレーターに関係なく一貫性のあるプリント品質を実現できます。
実物の在庫の維持には、コストも時間もかかります。しかし、これまでは、スペアパーツの在庫を大量に確保しておくことが、ダウンタイムを確実に回避する唯一の方法でした。
現在では、デジタルインベントリを使うことで、在庫管理に多大な手間やコストをかけることなく、ラインがダウンした場合にすばやく対応できるようになりました。パーツの設計を安全なクラウドベースのEiger™ソフトウェアにデジタルインベントリとして保管し、必要なときにプリントして使用することができます。デジタルインベントリでは、在庫に必要なコストを大幅に削減し、倉庫の貴重なスペースを無駄にせずに済むようになります。
しかし、デジタルインベントリの運用を成功させるには、適切な3Dプリントプラットフォームが必要です。FX10では、検証可能な結果として、いつでも強度の高い高品質なパーツをすばやく製造することが可能です。厳しい品質要件に対応し、わずかな誤差も許されない環境でも、メーカーはFX10を利用することで、デジタルインベントリモデルを円滑に導入することができます。
将来を見据えたモジュラー式のプリントアーキテクチャー
必要なときに生産現場で使用する汎用性の高いツールを開発することが当社の使命であるため、将来を見据えた設計はきわめて重要です。
Markforgedでは、アップグレードのしやすさを考慮して、柔軟性の高い設計を用いてFX10を開発しました。FX10のシステムコンポーネントは交換が容易で、将来的に印刷機能を追加することも可能です。
包括的なソリューション: FX10とThe Digital Forge
効率的なアディティブ製造プロセスの基盤の構築に必要なものは、3Dプリンターだけではありません。Markforgedは、FX10がお客様の生産現場にもたらす価値と有用性を最大化できるようにするため、次のように、包括的なアディティブ製造プラットフォームを構築してきました。
企業に便利なソフトウェア: 一般的な3Dプリンターは、既存の製造ワークフローに適合するように設計されていないため、ビジネスインパクトが限定されます。Markforged Eigerソフトウェアを使用すると、企業のプリンターやユーザーを簡単に管理し、Markforgedのテクノロジーを企業のMISやその他のビジネスシステムに簡単に統合できます。Markforgedは、クラウドセキュリティの技術力と顧客データの保護に対するコミットメントにより、アディティブ製造プラットフォームとしてISO/IEC:27001認証を初めて取得しました。★★
パーツ性能のシミュレーション: パーツの故障や障害は避ける必要がありますが、パーツを過剰に製造することは、性能の保証につながらず製造の非効率化を招きます。シミュレーションソフトウェアにより、プリントしたパーツの性能を予測し、最適化します。この機能により、既存の設計の性能を検証し、強度、重量、コスト面からプリントの設定を最適化することで、パーツの過剰設計を行わなくても済むようになります
品質管理の自動化: Inspectionソフトウェアは、プリント中にビルドを自動スキャンして重要な寸法精度を確認することで、すばやく品質管理を行います。FX10のプリントヘッドに搭載されたレーザーマイクロメーターは、ユーザーが定義した許容差に関するガイダンスを提供し、明確な合否分析を記載したスキャンレポートを自動作成します。
アディティブ設計スキル開発が容易に: FX10では、シンプルなワークフローを利用して強度の高いパーツをプリントできます。Markforged大学をあわせて活用することで、3Dプリントに慣れていないエンジニアでも、アディティブ設計の専門技術をすぐに身につけることができます。
FX10を活用して生産現場の効率化を進める方法
FX10を活用した製造オペレーションの改善方法については、当社までお問い合わせください。
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