Farason Corporation社の用途クローズアップ: 小型パッケージコンテナ
Farason Corporation社は30年以上にわたり、カスタムオートメーションシステムとロボットシステムを設計しメーカー各社に納品しており、北米、アジア、南米、ヨーロッパに900台以上の機械を出荷しています。同社のチームは、顧客が直面する独自の課題に合わせて入念にカスタマイズされた唯一無二のソリューションを提供するという同社のコミットメントに則り、Markforgedの3Dプリンターを追加することで設計と生産の機会を拡大しました。また、同社は、製品の回収と搬送に使用するカスタムの3Dプリント小型パッケージコンテナを設計しました。
課題
米国のとある有名なスナック食品メーカーで、チーズボール商品の小型パッケージの回収と搬送に対応するためのカスタムソリューションが必要となり、Farason Corporation社はその課題に向き合うことになりました。その時点で、従来のすべてのソリューションは検討済みで、却下されていました。課題の中心にあるのは、商品そのものです。「この袋の特徴は、静電気を帯び、端の部分が均一ではなく、質量が小さいことです」と、設計サポートエンジニアを務めるChristian Weder氏は言います。 「すべてを箱に梱包することは難しいです」
同社のチームは、梱包プロセスを逆実行させるという一風変わったアイデアを思いつきました。ロボットが背の高いコンテナを持ち上げ、人がビールジョッキにビールを注いでいるような動きで商品を押し出すことから、チームはこのプロジェクトを「ジョッキ」の愛称で呼んでいました。ただし、アイデアはあるものの、そのソリューションの斬新さが1つ目の難題となりました。エンジニアのRichard Cook氏が説明したとおり、「設計者たちは、だれからの賛同も得られませんでした」。それは一風変わったアプローチであったため、チームの何人かはすぐに突拍子もないと却下しました。「チームは、『Xを実行すればいいのでは』と言いました」と、Richard氏は回想します。
「それでも顧客は、私たちがXを実行することを望んでいませんでした。顧客がすでに試してうまくいかないことを知っていたからです。そのアイデアを見て、こう思いました。『素晴らしい、斬新とはこういうものだ。多分うまくいくと思う』、と」。これが顧客に提案できる最善のアイデアであることを証明するには、R&Dチームがそのアイデアを完全なコンセプトとしてまとめ、このアプローチが契約を勝ち取る可能性があることを実証する必要がありました。
しかし、そのコンセプトに取り組む前に、チームは2つ目の難題に対処しなければなりませんでした。提案したアイデアでは、非常に特殊な要件を持つ珍しい設計の小型商品を回収するために、一連のカスタムコンテナが必要となります。現在利用しているコンテナでは、ロボットが対象物をどう扱うのか、また超軽量パッケージに関する問題が解決されるかどうかをテストできません。
それを確かめる唯一の方法は、社内でオリジナル設計のプロトタイプを作成することでした。Farason Corporation社によれば、カスタムのコンテナや搬送ソリューションは高価になりがちで、メーカーの要件に示されるコンテナ1個あたり500ドルという厳しい製造予算をはるかに上回ります。このアイデアは、原理的にはうまくいっても、コスト面で評価すると引っかかる可能性があります。
「このプロジェクトを3Dプリントした最大の利点は、素早く反復できたことです。パーツの納品を1週間や2週間待つ代わりに、反復を継続できて、プロセスの中断を余儀なくされることもありません。すべてを稼働させ続けることができます」– Farason Corporation社、設計サポートエンジニア、Christian Weder氏
ソリューション
Farason Corporation社のチームは、この2つの難題を同時に解決する最善の方法をすぐに思いつきました。それは、Markforged Onyx工業用3Dプリント用マテリアルを使用し、Markforged X7でコンテナを3Dプリントして製造するように設計することです。同じマテリアルとアプローチが、顧客にソリューションを出荷するためのターゲットの生産用マテリアルにもなります。
Christian Weder氏いわく、「重量とコストの削減は、当社の主力エンジニアリング設計チームにとって、より考慮すべき事項になりつつあるのは明白です。3Dプリントは、当社の設計手法からみても、とても相性がいいと思います。当社は実に複雑な機械加工パーツを多く使う傾向がありますが、3Dプリントはセットアップ時間や機械加工時間など、すべてにかかるコストを大幅に削減できるため、実に見事にそのパーツに成り代わり、その役割を果たします」
アディティブ製造を採用したことで、チームは、コンテナ1個あたりの総予算額を超える従来の鋳造PCパーツではなく、コンテナの壁面用に手頃な価格のPVCチューブパーツを調達できるようになりました。3Dプリントされた一連のパーツは、コンテナアセンブリを固定し、他の機械と連動する重要な機能をすべて搭載しています。これには、搬送機構を位置決めして保持するためのベースの磁石の位置や、ロボットが商品を持ち上げて、振って、排出するためにつかむ「ハンドル」コンポーネントのマウント位置も含まれています。これらのパーツに挿入されたアルミニウム製のタイロッドが、上から下まで全長にわたり、プリントされたコンテナの柱のコンポーネントを連結します。
コンセプトを証明した後、同社のチームが入札を勝ち取り、80個以上の小型パッケージコンテナを製造しました。アディティブ製造に対応した設計と「印刷適性」に対する同社のアプローチにより、同社は、現場に実装されたコンテナを維持し、継続的にさらなる最適化を図ることができます。
Markforgedの利点
- Onyxマテリアルによる強靱な生産対応パーツ。
- 入札プロセス中に完全に機能するコンセプトモデルを社内で低価格に製造。
- 入札とコンセプトモデル作成のための社内機械工場の負担または外部製造の予算を削減。
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