Farason Corporation社の用途クローズアップ: カスタムカラー付きメカニカルグリッパー

Farason Corporation社は30年以上にわたり、カスタムオートメーションシステムとロボットシステムを設計しメーカー各社に納品しており、北米、アジア、南米、ヨーロッパに900台以上の機械を出荷しています。同社のチームは、顧客が直面する独自の課題に合わせて入念にカスタマイズされた唯一無二のソリューションを提供するという同社のコミットメントに則り、Markforgedの3Dプリンターを追加することで設計と生産の機会を拡大しました。同社のチームは、梱包・包装オートメーションロボットの用途に、カスタムカラー付きメカニカルグリッパーを作成しました。

オートメーションの設計には、双方向のメカニカルグリッパーを備えたロボットアームが含まれます。このロボットアームでプラスチックバケツのふちをつかみ、ネジ山部分と位置合わせした後、バケツを持ち上げて所定の位置に振り、製品を選別する次の段階へと進むためにその中身を放出します。

グリッパーの初期設計は、対象の回収・輸送バケツのふち周辺を固定するためのジョーの3Dモデルから始まりました。ジョーの下側に埋め込まれたネジ山部分と位置合わせするための機能を搭載していました。しかし、ツールをテストしたところ、その性能と成功率を高める必要があると明らかになりました。

試作品は、バケツをつかみ、中身を放出するためにロボットに差し出すことができたものの、バケツの口とレシーバー受け口の漏斗の間に、袋を2～3個落としていました。

「袋の保持に役立つカスタムのカラーフランジを追加することで、この作業を素早く反復できます」と、設計サポートエンジニアを務めるChristian Weder氏は述べています。通常であれば、それは実現不可能な機能でしょう」と、設計サポートエンジニアを務めるChristian Weder氏は述べています。適度な軽さと堅牢性を備えたマテリアルで素早く形状を造形することは、高度にカスタマイズされた少量生産のソリューションの場合は特に、Markforgedの3Dプリンターがなければ不可能だったと同氏は説明しています。

設計が定まった後、最終的な生産対応パーツを準備する前に、もう一段階乗り越えるべき課題がありました。このプロジェクトで設計者を務めたFarason Corporation社のR&Dサポートエンジニア、Richard Cook氏は、Onyxで作成した試作品はテストではうまく機能したものの、それだけを3Dプリントすることは、強靭なベースマテリアルを使用しても適切なアプローチではなかったと指摘します。「ゴムのように柔らかくなりすぎてしまいます。カンチレバーとパーツの長さの間で、グリッパー機構そのものに小さなボルトを埋め込んだ小さなパッド上で、大量のマテリアルを保持しなくてはなりません」と、Richard氏は言います。Markforgedの連続ファイバー強化を追加することで、このパーツの問題が解決されます。

同社のチームは、Markforged X7プリンターを使用し、顧客に納品できる状態の生産パーツを連続ファイバーで造形しました。「2～3層のカーボンファイバーだけを使用して、これが適切なマテリアルだとチームに証明できました」と、Richard氏は語ります。「ネジの下の支えとしてワッシャープレートを追加してしっかりと固定し、指の長さ全体に行きわたるカーボンファイバーで安定性と強度を維持できるので、ねじれません。一式プリントしたところ、チームはすっかり満足しました」。完成したアームエンドツールは顧客にも好評でした。わずかに曲げるだけで動きと位置合わせがスムーズになり、必要な作業を行うのに十分な剛性も備えています。

Markforgedの利点

• パーツのコストを削減し、作成時間を数日から数時間に短縮。
• 現場で低コストで製造することが不可能だった複雑な機構（非対称的なカラーファンネル）を実現。
• 3Dプリントにより、テストを実施しながらアディティブ製造ソリューションを最適化することが可能。
• 連続ファイバー強化技術により、必要な場所の強度を維持しながら、軽量かつ堅牢で展開に適したパーツを製造可能。